【作品紹介】Mikawa cats #108

NFTは動きます

この作品は「かざりたくなるアート展」で描いた娘の自画像『赤いタンバリン』の延長線上にあります。

これまでデジタルだと着物の柄など書き込むのが少し面倒だと思っていました。

しかしアナログで描いたとき「やっぱりちゃんと描いた方が見栄えするな』という気づきがあったことで今回の作品が生まれました。

着物の柄は手描き

着物の柄をスキャンしてペーストしたい気持ちはありました。

しかし出したい柄がうまくでなかったり、鮮明に見えないんじゃないか?という懸念がありました。

柄の出方を考慮するために試行錯誤するよりは描いたほうが速いだろう。

なので実際の着物の柄を見て、好きな部分をバランスを見ながら配置しました。

自分で描くと発見が多いです。

謎の巻き物は子どもが賢くなるように願ってだろうか?
松や梅、菊の模様も意外にカラフル。

成人式の晴れ着のような派手さはないけれど、昔の子どもの着物の素朴な柄は今見ると新鮮です。

帯揚げ(胸の下の布)は伝統的な技法「絞り」を意識して描きました。

動画は7秒

以前の「冬の展覧会」ではデジタルサイネージで表示される時間が6秒だったので、今回もそうだろうと作りました。

ただ自分が計算を間違えてて最初5秒で作って、そのあと途中追加して7秒にしました。修正がなかなかめんどうでしたね。

6フレーム/秒のGIFアニメ

髪の動きからフレーム数を6フレーム/秒に決定。

何回か試作を重ねて、動きは決まっていきました。

作り込む前に、本当にうまく動くんか…?と確認
大きなリボンバージョン
あまり変化大きいとすぐバレちゃうかな〜

作業が面倒だな、やるか、の繰り返しで、プロからみたら大したことない作業だと思われますし、もっと良い作り方あるのかもしれませんが…

髪の動きが不安で朝起きる日々が数日ありました。

1フレームあたり、伸ばす髪の長さを短くしないとやっぱりカクカクしてしまう。やっぱり細かく刻まないといけない。

長さを決めてから、あとで「最初から伸ばすより途中から伸ばした方が気持ち悪いかな」とか、バレていいんだけど気づいたときの「アレ?」感を出したかったのがあります。

周りのパーツも動かす

某アニメを意識したカラーリング

周りのパーツを動かすことで華やかになるだろう。

あまり難しいことはできないので、パターンを左右上下、回転させるくらいしかできないなと思いました。

これは髪の伸びるのを目立たなくするカモフラージュなので、とにかくチカチカさせたい。

背景の和柄は子どもも大好きな市松模様と麻の葉、七宝は蝶々みたいでかわいいし縁起いいので決めました。色はごちゃごちゃしすぎないように統一しました。

桜は河津桜、黄色はうこん桜をイメージ。
桜も2つ1組で動くタイミングが変わりますが、最後なんか変になっちゃってるんですが、そのままにしました。

和柄は正確に描いてるつもりなんですが、元来雑で、ちゃんと左右対称にならないな〜と思いつつ終わりました。

1つのフレームに9枚レイヤーを重ねています

レトロな色合いに

もともとは白

最後はイエロー系のマスクをかけて、レトロ風&色の統一感を出しました。

完成したのを見ると、いい感じに目がおかしくて大満足です。

アナログは上書き、デジタルは過去未来を行き来

最後にイエローを足したことでレトロ感を出したんですが、そういうことをアナログ画材はできない。

デジタルは最後に「いい感じの処理」をできるのが面白いなと思います。

わたしは「古のオタク」だったので、漫画やアニメばかり見ていて、1枚絵もプロアマいろいろ見てきたつもりですが、今より真正面から光が当たる順光の作品が多かったんじゃないかと思います。

デジタルだと定番の逆光や木漏れ日のようなドラマティックな影を、レイヤーや効果で確認しながらつけられる。過去と未来を行き来して作ってる感じがします。

アナログだと完成形から逆算して作品を作らなければならないので、今より影の表現は難しかったんじゃないかなんて考えました。

(私は絵描きじゃないのでわからないけど)

デジタルならキャンバス風やシボなど紙の質感を入れたりもできるし、表現の幅を簡単に広げることができます。

だからこそ「パッと見ていい感じ」に簡単にできますが、その効果を選んだ理由を考えないと、説得力のない浅い感じになっちゃうのかな〜とか、モヤモヤ考えながらできた作品です。

最後に画面を黄色くしたのは、レトロ感…経年劣化による黄ばみの再現です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

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