【本の紹介】「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす / 佐光紀子

家事を減らしたい、家事にかける時間を短くしたい。
すると「手抜き」「ズボラ」になってしまう。
でも「手抜き」ってマイナスイメージなんじゃないか。
もっと積極的手抜きというか、家事ってそこまで頑張るもの?という気持ちがありました。

この本にそのヒントがありました。

「家事に手間ひまをかける」「丁寧な暮らし」を良しとする日本

Eテレでやっている「猫のしっぽ カエルの手(京都のハーブ研究家ベニシアさん)」「やまと尼寺 精進日記」が好きです。

季節を感じ、旬のものを使って体に優しい食事や生活をしたい。

……時間と心の余裕があれば。

『食は「手作り神話」の宝庫』

この本によると、2006年に「早寝早起き朝ごはん」キャンペーンが始まり、食育が推進されました。

このキャンペーンでは手作りで栄養満点の朝食を毎日食べることが良しとされ、朝食を食べる子供は成績がよいとデータを発表するなどしています。

じゃあ、丁寧な朝食を毎日作るのは誰か。
朝食を用意できなかったら誰の責任か。
子供の成績が下がった原因は。

すべては母親の責任では、ということになるでしょう。
朝食ごときに、母にそんな責任を負わせなくてもいいのに。

お昼は手の込んだキャラ弁。冷凍食品を使わない手作りのお弁当。
夕食にはパーティのように豪華でカラフルな食事。

自分もそうだけど、Twitterなどでも、女性は四六時中レシピを見ているし、夕方になると「食事作らなきゃ」とツイートしだす。

食に関しては大きなプレッシャーを感じています。

「きちんと」がやっかい

食事にしても掃除にしても、妻は「きちんと」の呪縛にとらわれている、とのこと。
家事を夫と分業してもうまくいかない時の多くは、夫の家事が妻の「きちんとした家事」の基準をクリアできてないからだと筆者は言います。

妻の家事の基準はなにか。

それは自分の母であり「母がしてくれたように子供を育てたい」「働いているから、母のように丁寧な家事ができなくて申し訳ない」といった気持ちを持っていると発言する女性も多いと書いています。

夫には妻の母のことなんてわからないし、妻が家事に対してどんな気持ちかもわからない。
そんな中で分担してもケンカするのは想像できます。

この本では『ママ基準の「きちんと」から家族共通の家事基準へと移行すべき時期にきているのではなかろうか』と提起しています。

心の中の母の存在が気になる

ママ基準の「きちんと」もそうですが、母を始めとする大人からの「女の子なのにだらしない」と言われた経験から、「きちんと」をやめられない気持ちもあります。

食器を毎食後に洗うか?のアンケート結果

日本では食器を1日3回以上(毎食後)洗うのは55.5%。
イギリスでは27.3%。
アメリカでは8.3%。
スウェーデンでは7.7%。

これは衝撃でした。

アメリカやヨーロッパでは食洗機が普及していて、まとめ洗いがしやすい、熱湯でザッと洗えて衛生的などの理由もあるかもしれないとのことですが……

そして食器洗いは食事と密接に関わっています。

朝食で使った食器は、夕食にも使う。お茶碗やお椀など。そのため洗ってあったほうが便利な気持ちもある。
逆に朝食をワンプレートなどで簡略化すれば、夜まとめて洗ってもいいという発想につながります。

シンクに汚れた食器があったらだらしない?

シンクに汚れた食器があると「だらしない」って心の声が聞こえる気がします。
誰の声って、過去の母や大人の声です。

男性に比べて、身の回りを片付けること、衛生的であること、きれいであることを求められて生きてきた実感が個人的にもあります。

とはいっても、もう大人になって、自分のことは自分で決められるようになって、今さら人の「だらしない」に付き合っているのもバカバカしいな~なんて最近は思うようになりました。

なので私は朝食と昼食の後は食器洗いしません。

▼家事をいろいろやめた話
【やめたこと】「きちんと家事」をやめる

データが豊富で説得力がある本

この本の素晴らしいところはデータが多いので「海外ではこうなのか!」「みんなこう考えてるのか!」と納得できるところです。

家事を完璧にこなすことや分担が重要ではないこと。
きちんとした家事も意外と歴史が浅いこと。
海外ではいろんな考えがあること。

これまで自分がさまざまな呪縛にとらわれていたことがわかります。

大切にしたい家事はそのままで、別にいいやと思うものはやめてみる。
それは「手抜き」「ズボラ」「だらしない」わけではなくて、自分の基準でやめたならいいんじゃないか。

家事やりすぎじゃない??」と思ったときにオススメの本です。

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