ようこそ!あかちゃん|ふんわりしてないイギリス生まれの性・妊娠出産の絵本

ようこそあかちゃん

子どもが赤ちゃんはどうして生まれるのか、聞いてきたらどうしよう。

3歳になって「こどもちゃれんじ」にもしまじろうの妹・はなちゃんが登場します。
(はなちゃん登場前にしまじろうの母が妊娠していることが伝えられます)

実際に2~3歳差で育児される方も多く、子どもから3才前後で妊娠・出産に関しての質問があってもおかしくないと思います。

なんて説明しようか悩むな~

そんなときにおすすめがイギリス生まれの絵本「ようこそ!あかちゃん せかいじゅうの家族のはじまりのおはなし」です。

 『ようこそ!あかちゃん』の紹介

ようそそ!あかちゃん

レイチェル グリーナー(著/文)クレア オーウェン(イラスト)
艮 香織(翻訳) 浦野 匡子(翻訳)
発行:大月書店
縦276mm 横236mm 厚さ9mm 32ページ
定価 2,200円+税
初版年月日 2021年1月15日

対象年齢が5~7歳、漢字もありますがすべてふりがなが振られています。

子どもに尋ねられても、もうはぐらかさない、ぼやかさない!
受精から妊娠の経過、出産まで、科学的な説明と人権・多様性をふまえた描写で、
低学年から手渡せる。性教育の国際スタンダードを反映した、英国発の最新絵本。

(Amazonの商品紹介より)

あらすじ

誰もがみんなあかちゃんだった、という書き出しで始まります。

赤ちゃんはコウノトリが運ぶ、キャベツから生まれる、たまごから生まれる…

いろんな説は真実じゃなくて、ふたりの人の体の中にあるものから始まる、という紹介があります。

そして男女の体の見た目の違い、体の中の仕組みの違い、セックス(性交)というもの、不妊治療、家族のかたち、妊娠の過程、双子、出産…

最後に流産、死産、早産のことにも触れられています。

性交の紹介が具体的かつ端的

個人的に感動したのが性交を紹介するページです。

ペニスがあるおとなと、膣(ワギナ)があるおとなが性交すると、あかちゃんをつくることができる。

まず、ふたりのおとなが性交によってあかちゃんをつくることに同意する。(同意というのは~(中略))

それからふたりはキスをしたり、ペニスがかたくなるまでよりそったりする。

これまでこんなに穏やかな口調でセックスについて語られたことはあったか???と思うほど、サラッと説明されています。

残念ながら日本のAVで育ってしまった私達世代には考えられない冷静さ。

保健体育の授業でさえも、こんなに具体的ではなかったような気がします。

さりげなく説明される同意

そしてさりげなく説明される「同意」。これもまた、現代でセックスを語るときのキーワードといえます。

(同意っていうのは、ふたりがおたがいの気持ちをたずねて、ほんとうにそうしたいと思っているか、おなじ気持ちなのかをちゃんとたしかめあうこと)

このページだけでも必読なんじゃないかと思うほどの情報量です。

最後に自分の存在を肯定される

あかちゃんがあかちゃんになっていくのに必要なのは、ひとつの精子、ひとつの卵子、それからひとつの子宮…

…でも家族のはじまりかたはみんなそれぞれとくべつ。
あなたとあなたの家族は、もうそのままですごいってこと!

挿絵は表紙に描かれている家族。

いろいろな人種がいて、車いすに乗っていたり、両親が同性同士だったり、シングルであったり、双子だったり…

もとをたどれば精子、卵子、子宮の組み合わせだけど、家族はいろんな形がある。

もうそのままですごいってこと」の言葉の説得力!

読み終わって感動してしまいました。

これまでの性の本に対する問題提起

訳者のあとがき(解説)にはこのようなことが書いてありました。

子ども向けの絵本は、わかりやすくと考えるあまり、社会のさまざまな思い込みが隠れていることがあります。たとえば、精子や卵子が擬人化されていたり、精子が「泳ぐ」、卵子が精子を「待っている」といった表現です。卵子がドレスを着たお姫さま、精子が勇ましい王子さまとして描かれている絵本や教材もあります。こうした表現は、隠れたメッセージを子どもに伝えていないでしょうか。

これはガツンと衝撃がありました。

「わかりやすく」と考えるあまり過剰な(偏った)比喩を使ってしまう。恥ずかしいからぼやかした表現を使ってしまう。

具体的に何の本で出てきたかはわかりませんが、こういった表現はありがちです。

男の子は戦って、女の子は待つもの。まるで精子や卵子に感情があるように説明することで刷り込まれてしまうもの。

これまで考えたことはありませんでした。

 『ようこそ!あかちゃん』の冷静な視点は子育てに大切

性のこと、妊娠出産に関してはデリケートなこととして扱われていて、きちんと説明を受けた経験はないと思います。

もちろん学校で生理について説明があったり、保健体育の授業でも学びましたが、どこか上の空で。

それは説明がふんわり感に包まれていたからなんだろうなと思います。

令和の今は性教育本が出版ブームのようで、本屋さんでも新刊でバンバン発売されています。

個人的には妊娠出産育児本の、若干スピリチュアルめいたキラキラした内容にうんざりしていたので、この絵本の「大切な部分を専門的に端的に書いた」姿勢に感動しました。

価格的にちょっとお高い(2200円+税)のでちょっと購入は躊躇して図書館で借りたのですが、ぜひ購入しようと思います。

自分用に、子ども用に、ぜひおすすめの絵本です。

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