「こどもジェンダー」は小学校低学年から読める、ジェンダーの本です。
著者はユーチューバーとしても活躍する助産師のシオリーヌさん(大貫詩織さん)。
他の本(CHOICE)も読んでみて、軽快な語り口でありながら愛を感じたのでコチラも読みました。
読んだ本のポイント・感想をまとめました。
- 小学校低学年でも読める本
- Q&A方式、イラストが大きく読みやすい
- 現代のジェンダーについての認識がわかる
目次
「こどもジェンダー」とはどんな本?
シオリーヌ(大貫詩織)とは?
助産師/性教育YouTuber。
助産師として総合病院産婦人科病棟で勤務ののち精神科児童思春期病棟で若者の心理的ケアを学ぶ。
2017年より性教育に関する発信活動をはじめ、2019年2月よりYouTubeチャンネルで動画投稿を開始する。著書に『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)。
ポイント1:全てひらがなとカタカナで書かれている
読んで驚いたのが、全てひらがなとカタカナで書いてあります。
これなら小学校低学年でも読める!と感心しました。
逆に大人が読むと読みにくいなんて意見も、Amazonのレビューを見るとあります。確かにちょっと読みにくいです。
とくに「オトコノコ」「オンナノコ」の表記は、ちょっと読みにくいです。
でも幼児~小学生にはいいのかな?と感じました。
necco
ポイント2:Q&A方式で書かれている
親になって、子どもにいろいろ質問されて悩んだことってありますよね。
この本は子どもの疑問があって、その回答が1問1答で示されています。
もしも子どもから質問があったとき、この本を参考に答えるのもいいかなと思います。
ポイント3:イラストが多くて読みやすい
上の画像のとおり、イラストが大きくて絵本のようです。
全部のページがこんな感じで、大人はサクサクと読めてしまいます。子どもも安心して読めると思います。
ポイント4:プライベートゾーンやLGBTQ+も書いてある
この本では冒頭でジェンダーについて
「ジェンダー」とはしゃかいのなかでつくられた、「せいべつ」のこと
とあります。
「オトコらしく」「オンナらしく」ときめつけてかんがえるのは くるしいなと かんじるひとも たくさんいて、すこしずつ「じぶんらしく」いることを たいせつにしようという おもいが ひろがってきているんだ
男女差別の話、というよりは「自分らしく」「自分を大切にする」ことを中心に、ジェンダーの話をしている印象です。
中に「スカートめくりが嫌だ」という女の子の意見から、プライベートゾーンの話も出てきます。
お風呂をのぞく、壁ドン、ズボンを下ろされることへの疑問や不快感に対しても回答があります。
終盤には「女の人同士の結婚を見たけど変なの~」といった疑問からパートナーシップ制度の話があったり、かなり現代的な内容といえます。
「こどもジェンダー」を読んだ感想
自分で読むためにKindleで購入。
シオリーヌさんは「CHOICE」での優しい(毅然とした)語り口が気に入って、今回も読んでみました。
目次を見たとき、3つしか章がなかったのでサクッと読めると思ったら、実は166ページ!結構読み応えがありました。
(目次は端折りすぎだと思いました)
Amazonのレビューを見ると内容を詰め込みすぎ、ジェンダーについて言い過ぎ、という意見もありました。
でも個人的には現代のジェンダー問題が網羅されてるんじゃないかなと思いました。
好きなのは「テレビにうつるエラい人って男の人ばかり、自分はえらくなれないの?」という女の子の疑問に、世界には女の人がリーダーの国もある、と7カ国が紹介されています。
「女の子だから勉強を頑張らなくてもいい、って言われたけどどうして?」という疑問には、昔は男の人を支えるものだったけど、今は勉強する自由があり将来を選ぶときに役に立つ、とあります。
自分達はもちろん、じじばば世代がとらわれているジェンダーもあり、子どもたちは苦労することもあるのかなとせつなくなったりします。
でも、この本は疑問に対して1つ1つ、丁寧に解説があり、それがふんわりしたものではない明瞭なもので、個人的にはとてもいいと感じました。
最後には「ばんがいへん」として、イライラしやすい子、苦手なクラスの子と仲良くって難しい、クラスの変わった子の話などもあります。
そして最後に、もしも悩んだときの相談窓口の電話番号も。
Amazonのレビューで盛り込みすぎだ!とあるのは、こういうところかなと思いますが、この本を手にとって最後まで読んだということは悩みがあるのでは?という想像もできます。
いろんな考えがあって、世代によって考え方が違う、悩んだら相談するといったことが散りばめられた、ジェンダーのステップ1の本としてピッタリじゃないかと思いました。
小学校に上がり交友関係が広がって悩む時期にプレゼントするのにピッタリ!
もちろん親がジェンダーについて学ぶのもおすすめです。