産婦人科の先生で、実際に不妊治療を経験した方の本です。
タイトルの通り、ポジティブな気持ちになれる本です。
「赤ちゃんが欲しい」ときの孤独
「赤ちゃんが欲しい」と願う女性は、たった一人で情報を集め、知識を増やしていかなければならないのです。そして最終的な決断には、あなた自身の価値観が凝縮されるのです。
流産してしまったとき、この言葉で泣いてしまいました。
いろんなアドバイスを聞いたり、調べても、最終的な判断は自分で決めなければならない。
正しいことばかりではない、でも、間違っているとも言えないことばかり。
決断は、すごく勇気のいることです。
周りがフォローしてくれても、フッと孤独を感じることもあるかな、と思います。
基礎体温はつけなくていい
常識のウソ4・・基礎体温はしっかりつけよう
他の産婦人科の先生のセミナーでも聞いたのですが、「基礎体温はつけなくていい」ということが、この本にも書いてありました。
(誤差が大きい、ストレスを感じるので)
この先生も言っていて安心しました。
自分の中にある黒い感情
不妊の苦しさは(中略)大きな真っ黒い不安がとぐろを巻いている感じなのです。
ある患者さんは、治療の甲斐あって妊娠したのもつかの間、流産してしまった後、次に向けての治療のお休み中に映画を見に行き、「子供のいる家庭の情景を見て、思わずポップコーンをまき散らした」と告白してくれました。
私も、妊婦さんを見ると蹴ってしまいたくなる、そんな時期がありました。
マタニティマークが狙われるというのも、わかる気がします。
もちろん、理性が働いて実行しないけど、そういうのって紙一重なんじゃないかな。
ストレスの強さを測るものさし
学業成績が優秀、仕事でもバリバリ、何でも自分の努力で乗り切ってきた、そんな女性が不妊という壁にぶつかったとき、努力が形にならないことを初めて経験して、心が折れてしまう…という物語がありますね。
わたしも、ポッキリ心折れました。
自分の体のことなのに、こんなに難しいのか。無理ゲーなのか。と。
他にも社会的再適応評定尺度(SRRS)という「ストレスの強さを測るものさし」の紹介がありました。
配偶者の死を「100」とすると、
不妊ストレスは「85」くらいではないか、という話も面白かったです。
不妊で通院することがストレスではなくて、出口の見えない迷路みたいな状況がストレスですよね。
▼リンクは著者とは関係ありませんが、社会的再適応評定尺度(SRRS)について丁寧に書かれています。
産婦人科の先生でも不妊で悩む
産婦人科の先生でも不妊で悩むというのが一番、新鮮でした。(ごめんなさい)
不妊のことについての旦那さんとの会話も関西弁の軽妙さで面白かったです。
男性って・・・難しい。
最終的に妊娠、無事出産できるかは神のみぞ知る、ですが、勇気や元気をもらいたいときはこの本がおススメです!