子供がほしい、と思ったのと同時期に読んだのがこの本でした。
川上未映子さんのエッセイが好きだったこともあり「この本は読まな!」と、レジに直行しました。
「きみは赤ちゃん」で排卵検査薬を知る
妊活だ!と思ったと同時にこの本を書い、同時に排卵検査薬の存在も知りました。
川上未映子さんは35歳で妊娠を考えて、3ヶ月で授かったようです。(ネタバレ)
私も32歳で妊娠を考えたので気持ちはわかる気がします。
20代の1ヶ月と30代の1ヶ月は、重みが違う。
毎日の基礎体温計測、でも、妊娠できない。その焦り。
そこで登場したのは「排卵検査薬」!
基礎体温だけじゃなくって、排卵日をダブルで特定してやろうという魂胆だ。
わたしもマネして買いました。
お金はかかりましたが、時間をお金で買ったと思うことにしました。
(大人なので!)
▼(参考)排卵検査薬とはこういうものです
▼この記事でも書きました
排卵日の特定 ~排卵検査薬(ワンステップ)など~
「きみは赤ちゃん」と共に私も成長する
自分の妊娠した状態と、川上未映子さんの妊娠の状態を見比べながら読むと楽しいです。
(流産してしまったときは、なんか悔しくて読めませんでした。)
川上未映子さんは、「完全無痛」の無痛分娩を希望し、「出生前検査(胎児ドック)」を受けています。
そして帝王切開もされて、壮絶な出産・その後のようすが、文章から想像できます。
悩みながら、1つずつ決めていくところ、思ったように進まないこと。
出産前は「わたしの場合はどうなるだろうか」と考えながら、出産後は「わたしと比較して…」と、読む楽しみがあると思います。
「きみは赤ちゃん」のつわり描写にドキドキする
そして、一番印象に残っているのが、つわりの話です。
自分がつわり中(だいぶ軽くなりましたが)ということもありますが、特につわりが終わった瞬間の話に勇気づけられました。
※つわり中はずっと吐いたり、涙を流してる話が続いていました。
目がひらく。いつものカーテンが白く光っていて、朝になっている。時計を見ると8時とか。まだはっきりしない頭をのせた上半身を起こしてぐりぐりっと回してトイレに行こうかと立ち上がる。そこで……なにかがいつもとちょっとちがうことにきがつく。
あれ?なにがいつもとちがうのだろう……立ったまま、しばらく考える。そして、わたしは知るのだ。そう、つわりが終わっていたことを!!
あの、どうにもできないつわりも、いつの日か去る。
そんな希望を感じました(わたしはそんなにスパッと終わらなさそうですが)。
その後、怒涛の食欲がやってきた、ともあります。
ある日、先輩妊婦のミガンとラーメン(もちろん大盛り)を食べていたときのこと。
わたしの凄まじい食欲を見ながら、
「すごいよな……そらわたしもすごいけど、あんたもたいがい、すごいよな……でもさ、男の思春期の性欲とかって、たぶんこの何十倍もすごいんやろうな……」
と、しみじみいうのだった。
すごいな、つわり後の食欲。
つわり中もこの言葉をたまに思い出して、男の思春期の性欲には遠いけど、たいがいすごい食欲が来る日を、毎日願っています。
(わたしにはまだ来ません。)
「きみは赤ちゃん」の育児
ぶじに男の子の赤ちゃん(オニとよんでいる)が産まれ、その後、1歳までのいろいろを綴っています。
思わず、「わたし赤ちゃんに会うために生まれてきたわ」といってしまいそう
わたしも早く、そんな気持ちになりたい!
もちろん、葛藤や「産後クライシス」、お金がかかるなどのつらさがたくさんあるとも言っています。
でも、最終的には赤ちゃんの存在は幸せにつながるのだなあ、と。
自分は「子供なんて欲しいの?」と思っていた時期もあり、年齢的に無理かもと諦めようとしたこともあります。
だから、赤ちゃんはかわいい、産んでよかったという話を聞くと、わたしも頑張ろう、と思えます。
悩みながら、みんな妊娠出産する。
勇気をもらえる1冊です。
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▼芥川賞受賞作「乳と卵」
▼「世界クッキー」で川上未映子さんが好きになりました!